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【ヒロアカ】泡沫少女の歌声はどこまでも

第11章 テメェを俺に惚れさせる


−緑谷side−


警報がなってからの騒動が落ち着いた後
麗日さんと飯田くんと合流したものの
あくあちゃんの姿が見えなかった


教室にもいなかったから
もう一度探しに来たのだが…



『爆豪くん…待っ…』



人気のない廊下の隅から微かに聞こえた声は
確かにあくあちゃんの声だった。


そして彼女が呼んだ名前は“爆豪くん”


つまり今一緒にいるのは
かっちゃんということだ



(何でこんな場所であくあちゃんとかっちゃんが一緒に…?)



2人の姿は見えないけれど
会話は聞こえる距離で僕は立ち止まる



『っちょ、…爆豪くん…!なんで、今キス…』



(………?!え、今…何て…)


“キス…???”


聞き間違いじゃない、

あくあちゃんは
“キス”と、今そう言った。

かっちゃんが……
あくあちゃんに、


キスしたってこと…?


盗み聞きは良くない事なんて分かってるけど
その言葉を聞いてから僕の足は
その場から立ち去ろうとはしなかった。



「……あくあ。」

『はいっ…!?』

「…………テメェを俺に惚れさせる」



『へ……?』


(………え?)


それはつまり…かっちゃんが
あくあちゃんの事を…
好きって事……?


訳がわからない


あくあちゃんの反応からして
あくあちゃんはもっと
訳がわからないのだと思う


昔からかっちゃんは冗談で
そういうこと言う奴じゃない

でも、恋愛なんて興味なさそうだったし、
意外すぎる。


会話が終わったかと思うと
かっちゃんはそのまま
反対側から立ち去っていった。


(聞いてたのバレなくて良かった…)


僕はたった今この場に来たかのように
振る舞いながらあくあちゃんに話しかける



「あくあちゃん…どうしたの?大丈夫?」



でも、なんだろう、このモヤモヤ感

今の僕には、
この感情の正体は分からなかった。

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