第11章 テメェを俺に惚れさせる
−あくあside−
「人すごいなぁ…」
「ヒーロー科の他にサポート科や経営科の生徒も一堂に会するからな」
午前の授業は終わり、
今いるここは雄英高校の食堂。
思っていた何倍もの人が食事をしている。
今はお茶子ちゃん、飯田くん、
出久くんと一緒に昼食中だ。
その時、
《ウウ〜〜〜》
と大きな音が食堂中、
いや校内中に響き渡った。
「警報!?」
【セキュリティ3が突破されました、生徒の皆さんは速やかに屋外へ避難してください】
とアナウンスが入る。
「セキュリティ3ってなんですか?」
「校舎内に誰か侵入してきたってことだよ!3年間でこんなの初めてだ!君らも早く!!」
(誰かが侵入…?)
悩む暇もなく校内にいる生徒達が
パニック状態で波のように押し寄せてきて
訳がわからないわからまま人
の波に呑まれてしまった。
「いてえいてえ」
「押すなって!」
「ちょっと待って倒れる!」
「押ーすなっ!!」
『いたっ急に何?!』
何が起きているのか聞こうにも
周りの人は皆パニックで話にならない
そうしてる間にも私は
出久くん達がいるところから
どんどん流されていってしまう。
「あくあちゃん!!」
これは、どうすればいいんだ…。
「君、邪魔だ!」
『わっ?!』
(…やばい!ここで倒れたら…!)
流れに呑まれるまいと
その場で立っていたら
後ろから来た生徒に押されてしまった
体勢を崩してしまい
人の波の中に転びそうになる。
その瞬間、誰かに右手を強く引っ張られ
そのまま抱きしめられるような形で
背中を手で支えられた。
「てめェ危なっかしいんだよ!」
『…爆豪くん?!』
「安心しろ、侵入者はただのマスコミだ」