第28章 小さな邪心
–あくあside–
《ピンポーン》
朝早くから鳴り響くチャイムの音。
眠い目を擦りながら
家の玄関のドアを開けると
「おはよ、あくあ」
家のチャイムを鳴らしていたであろう
寧人が立っていた
『寧人!?どうしたの?こんな朝から…』
多分、一緒に登校しようってことなんだろうけど
さっき起きたばっかりで
まだ着替えすら終わっていない
『久しぶりの学校だし一緒に登校したいって思ってたんだけど…』
少し申し訳なさそうにそう言った寧人。
“迷惑だったかな…?”
とでも言いたげな表情をしていて
寧人ってたまに
こんなキャラだっけ?って
なることがある。
普段はA組に対抗的で嫌味ばっかり言ってるのに
2人になると途端にキャラが変わる気がした
いつも私のことを守ろうとしてくれるし
気を許してくれてるってことだろうから
嬉しいけど、
少し調子が狂いそうになる
『もちろんいいけど私まだ身支度何もしてなくて…よかったら中で待ってて』
とりあえず家に入ってもらって
私は速攻で顔を洗って歯を磨く
とその時、
ベットの上に置いてあった私のケータイが鳴った