第28章 小さな邪心
–No side–
____ここは、
とあるビル内にある小さなバー
「そういえば、この前お前の言ってたアイツと会ったぞ」
一人の男が隣の席に座る男に話しかけた
「あ?アイツって…まさか、あくあの事?」
グラスを机に置いて
話しかけてきた相手の方を見る
「復元と崩壊の個性、もしあれが手に入ったら…」
身体にいくつもの手を付けた男が
そう言って不気味に笑った
「“もし”じゃねぇ、手に入れるんだよ。絶対にな」
そう言って
もう一人の男は立ち上がると
扉の方へ向かう
「おい零、こんな時間に何処へ行くつもりだ」
「どこって、決まってるだろ?情報収集。次の林間合宿が、決行の時だからな」
零と呼ばれたその男は
ケータイの画面を開いた
____通話履歴
海波あくあ_
「…もうすぐ会えるよ」
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