第27章 私の、気持ち…?
「ナンパとは失礼な。これは立派な勧誘だよ」
そう言った死柄木から私を庇うように
前に出た啓くん。
今は、“ホークス”の後ろ姿をしてて
なんだか少し安心した
死柄木の姿は啓くんで見えないけど
なんだろう、すごく嫌な感じがする。
「なら尚更お断りだね。それよりも、…死柄木弔。どうしてお前があくあの事を知ってるんだ」
「……」
啓くんがそう問いかけると
死柄木は少し間を空けてから
「…あいつが言ってたからな」
またもや不気味な笑みでそう言った。
あいつ…?
あいつって誰……?
「誰だよ、“あいつ”って」
啓くんが私の気持ちを代弁するように
問いかけてくれたけど
「…けど、今はまだその時じゃないらしい。行くぞ、黒霧」
死柄木は問いには答えないまま
黒い霧のワープに吸い込まれて行った。
「それと、あいつに会えばいずれお前は俺達の仲間になる筈だ。絶対にな」
私に向かってそう言い残して。