第27章 私の、気持ち…?
咄嗟にもう一度
個性で足場を作ろうとしたその時
誰かが空中で私を受け止めた。
__誰か、と言っても
こんなことができる人といえば、
「おっと、大丈夫?ほんとあくあって危なかっかしいよね」
『啓くん!…ありがと…落ちるかと思った…』
ホークスしかいないよね。
流石早すぎる男と言われているだけある
さっきまで少し離れた場所にいたにも関わらず
一瞬でここまできて助けてくれた
「友達がピンチかもって言うから何事かと思ったけどまさかヒーロー殺しと戦ってたとは…」
「私も駆けつけたらみんな戦っててびっくりだよ…』
そんな会話をしながら抱えられたまま
近くのビルの屋上に降り立った
「あれ、ウィッグどうしたの?」
『え?』
ウィッグ…?と思って髪の毛を触ると
いつのまにかウィッグは頭にはなく
そこには自分の長い髪があった
『わ、さっき落としたのかも…!』
多分さっき落下しそうになった時に
風で飛んだのだろう
「海波あくあ。」
『…っ誰!?』
ボサボサの髪を整えていると
後ろから名前を呼ばれて
勢いよく振り返った
「やぁ、まさかこんな所で会うとは思わなかったよ。復元と崩壊の個性持ちさん」
そこに立っていた人は、
不気味な笑みでそう言った
殺意の沸いたような、その目で見られて
一瞬背筋が凍ったような気がした