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【ヒロアカ】泡沫少女の歌声はどこまでも

第25章 ホントは分かっていたとしても




『…………今日、来てくれてありがとね!私はもう大丈夫だから、風邪が移る前に早く帰った方が良いよ』



しばらく沈黙が続いた後
あくあがそう言った



「…分かった。もし困った事があったら連絡してくれ」



轟はそっと立ち上がり、
玄関の方へ向かう

あくあも見送りのために
立ち上がって玄関まで追いかける



「あくあ」

『ん?』



ドアを開けて、轟が一歩外に出た所で
轟が何か言おうとした



「……風邪、早く治せよ」



轟はそう言ったけど、あくあには
轟が言おうとしていた事とは少し違う気がした

なんというか、
言おうか言わないか迷っている感じ



『うん…?ありがとう!』



パタン、と玄関のドアが閉まると
轟は少し立ち止まったまま何かを考えていた






「あくあ、好きだ。………これが、USJでお前を抱きしめる直前に俺が言った言葉だ。」






閉まりきったあくあの家の
ドアを眺めながら轟はそう言って
静かにその場を後にした





『……………え?』





轟は本人に聞こえていないつもりで言ったが
ドアのすぐ向こうにいたあくあに
轟の言葉は聞こえていた


まさかのタイミングだったので
告白を遮ることもできず

かといって轟は
告白したつもりではないだろうし


あくあはかなり混乱していた




その後すぐ布団に戻って
寝ようと思ったけど
なんだか少し

熱が上がったような気がする


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