第19章 君にはやっぱり、隠せない。
−あくあside−
誰かの前で、こうやって弱音を吐いて
泣き叫んだのはいつぶりだろうか。
あの日…
両親が亡くなったあの日に
消くんの前で泣いた日以来だ。
5歳のあの日以来、人前で涙は見せてこなかった
見せないと決めていた
なのに……
『……ずっと…っ誰かに…本音を聞いて欲しかった…っ!!』
寧人に抱きしめられたまま
流れるように本音が溢れ出てきて
今まで隠してきた想いが全て言葉に出てしまう
『でもっ…誰にも心配かけたくなくて……これ以上、“大切”を増やしたくなくて…』
「…僕はちゃんとここにいる。いなくなったりしないよ」
“大切な人”をもう、失いたくない
そう実際に言葉にした訳じゃないのに、
寧人はきっと私の想いを理解している。
私が誰かを頼ったら、
きっとその「誰か」は私の中で「大切」になる
“心配かけたくない”
その言葉を理由にして逃げてきた
自分自身に言い聞かせるように、何度も。
でも実際は、