第16章 予期せぬ再会
−no side−
その後怪我人は保健室で治癒してもらい
その他生徒は下校、
翌日は臨時休校となった。
その間あくあを心配して
保健室に来ようとした者もいたが
先生に止められ
保健室に入ることはできなかった
でも、あくあはその翌日になっても
保健室のベットで寝たまま
目を覚まさないままだ。
そんな臨時休校明けの次の日の朝
1人の生徒が保健室にやって来た
「失礼しまーす…」
そっと保健室のドアを開けて中に入る
手にはあくあの制服が抱えられていた
「あくあちゃん、制服ここに置いておくね」
寝ているあくあに話しかけながら
制服をベットの横にあった椅子に置く
あくあちゃん、まだ目覚めないのか…
USJの事件の後から
一回も目覚めてないって聞いたけど
大丈夫なのかな…
『んー………あれ……出久くんだ……?』
緑谷が保健室から去ろうと背を向けた時
重たい目を擦りながらゆっくりと
起き上がるあくあの声が聞こえた
「あくあちゃん?!起きたんだ…よかった…!」
『……えーっと…私あの後どうなったんだっけ…』
寝起きなせいかあくあは
ゆっくりと言葉を発した
緑谷は安堵しながらまだ少し
ぼーっとしているあくあに駆けよる。
「2日間ずっと寝たきりだったんだよ…!でも、無事でよかった」
『そうだったんだ…ってか私コスチューム着たまま寝ちゃったのか』
着替える間も無く寝てしまったせいで
あくあはコスチュームのまま。
だから緑谷は相澤に頼まれて
制服を届けに来たのだ
「体調は平気??」
『うん!もう大丈夫!心配してくれてありがとね』
「よかった…そこに制服持ってきたから着替えるといいよ!っじゃあ僕一旦保健室から出るね!」
『わざわざありがと!』
緑谷が保健室から出たのを確認すると
あくあは立ち上がり
制服を手に取り着替えはじめた