第16章 予期せぬ再会
−あくあside−
「あくあちゃん、大丈夫だった?!」
「怪我はない?!」
USJの入り口付近に戻ると
私の予想とは反対に
クラスメイト達が駆け寄ってきてくれた
突然あんなことを
起こしてしまったにも関わらず
クラスメイト達は今までと
変わらない態度で話しかけてくれる。
でも、みんなは
私が過去に何をしたのかを知らない
今回は誰も大怪我させなくて
済んだからよかったけど
もしあれ以上に
個性が暴走し続けていたら…
だからこそ、
止めてくれたみんなには感謝してる
ただ、ちょっと
複雑というかなんというか…
(とにかく、ちゃんと謝ろう)
『みんな…迷惑かけちゃって、ごめん』
「大丈夫大丈夫!誰も大怪我してないし、何よりあくあちゃんが無事で良かったよ!」
そう優しく声をかけられると、
また涙が込み上げてくる
(私、案外涙もろいのかな)
『……ありがとう』
でも、私は人前で涙を見せたくない
私が泣いたらきっと、
周りにいる人は私を心配してくれる
ここに居るのはそんな良い人達ばっかりだ。
「あくあ。」
なんとか涙を堪えながら、
私の名前を呼んだ勝己くんの方を向く
『…ごめんね、私無事でいるって言ったのに』
声が震えないように深呼吸してから
勝己くんにそう言った
「………。」
何か言おうとしてるのかと思い
少し待ってみるけど、
私の事をじっと見たまま何も反応がない
これは…怒ってるな