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【ヒロアカ】泡沫少女の歌声はどこまでも

第15章 暖かくて、懐かしい。


−あくあside−


左腕を後ろに引っ張られて

そしたら今度は

焦凍くんの手が私の頬に触れて
気づいた時にはキスされていた。




昨日されたキスとは違う、
軽く触れるだけの優しいキス。





暖かくて、優しくて、安心して、



何故だか思わず涙が溢れそうになった








そっと唇を離した後

私は涙が溢れないように

バレないように、




軽く服の袖で目を擦った。





気づけばいつのまにか
個性の暴走は止まっていて

周りにいたクラスメイトや
先生の無事も確認できた。





『焦凍くん………ごめん、ありがとう……』





誰にも大怪我をさせてないことを
確認できたことで
安心したら一気に体の力が抜けて
そのまま目の前に立っていた
焦凍くんにもたれかかる




焦凍くんの服の袖を
両手で掴んだまま私は俯いた。





こわ、かった…………






「あくあ、轟も、無事か?!」



しばらくそのままでいると
私を安心させる声が
また1人近づいてきた。




『消くん…、私…またやっちゃった』

「大丈夫、クラスメイトもみんな無事だ」



消くん、まだ少しふらついてる

さっきヴィランに受けた怪我、
治りきってないのに
急いでここまで来てくれたのか…


消くんには昔からずっと
お世話になりっぱなしで、

なるべく心配をかけたくない


なのに私はまた…



『迷惑かけてごめん…。私はもう大丈夫…みんなも、焦凍くんも、たすけてくれたから』



心配させないように
無理矢理笑顔を作ってそう言った。


(きっと消くんには見抜かれてるだろうけど…)



わずかな沈黙の後、
生徒の安全確認をしたいと言われたので
USJの出口付近に向かう。


向かう先には
クラスメイト達が待っているけど…
正直どんな顔すればいいのか分からない



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