第7章 【第五講 前半】文化祭は何かとトラブルになるけどそれも又青春
○○は再び校内を巡回する。
この中に必ず、悪事を働いているならず者がいる。
ワイワイと笑顔を浮かべて文化祭を謳歌する老若男女。
この中からさらなる被害者を生むわけにはいかない。
グッと気合を入れて拳を握った時、ガシャンドゴンという破壊音が響いた。
続いて、聞き覚えのある悲鳴。
「やめてくれー!」
それは午前中にも聞いたクラスメイトのグラサンの叫び。
○○は駆ける。騒ぎの元はまたしても長谷川の屋台。
見えた長谷川はグラサンを割られていた。
「長谷川くん!? 今度は何事!?」
午前に続き、二度までも。
前から何となく感じてはいたが、長谷川は不幸に見舞われる運命のようだ。
「□□! 現行犯だ! 食い逃げ……つーかもう強盗だろコレ!!」
ガシャンガシャンと長谷川の屋台から金属音が響いている。
どうやら荒らされているようだ。食い逃げの神楽より悪質、と思ったら、
「神楽ちゃん!?」
立ち上がった少女の姿が目に入り、○○は声を上げる。
犯人は再び神楽だった。
さらに近づくと、神楽の横に巨大なモフモフが見えた。
それは銀魂高校に迷い込んだ巨大犬。神楽に懐いて定春と名付けられたワンコだ。