第6章 【第四講 後半】マヨネーズは万能食だけど恋の病には効きません
迎えた、土曜日。
集英高校との練習試合の日。
場所はかぶき町のとある野球場。
この一週間、3Zの野球部員代理達は練習をこなした。
練習をこなし、一人だけ、実の部員に負けないくらいレベルアップした選手がいる。
「フレー! フレー! ギ・ン・タ・マ!」
その名は、○○。
「がんばれ、がんばれ、ぎんたま! がんばれ、がんばれ、ぎんたま!!」
チアのユニフォームを着こなし、ダンスを踊る。
見せパンとまではいかないが、一分丈のスパッツで足を振り上げる。
キレのある腕の振りと、自然な笑顔。
「掛け声間違ってんぞー、○○の奴」
くわえ煙草の銀八は腕を組みながら○○の姿を見やる。
「むしろ、あの方が野球の応援らしいです」
銀八と新八の視線を受けながら、○○は腰を振り振りしている。
「うーん、俺としてはお妙さんのチア姿が見たい……」
新八の横で、顎に手を当てて唸っているのは近藤。
「どうです? お妙さん、今からでもチアに転身しては?」
妙に満面の笑顔を向けた近藤が見たものは、振り上げられた足。
「フレー! フレー! GO・RI・RA!!」
それは近藤の脳天へと振り下ろされた。強烈な踵落としが炸裂する。
「はうっ!」
ゴツンという鈍い音を立て、近藤の頭蓋骨は土のグラウンドへとめり込んだ。