第3章 【第三講 前半】小説版に時系列なんて最早ない
続いて九兵衛、その次は妙、そのまた次はまた子と、続々と3Z女子が登場し、続々とトップでフィニッシュ。
白組に得点が続々と加算され、ボケもそれなりに連発した。
ただし、ボケているのは女子生徒ではない。それを取り巻く男子生徒だ。
「ハードル競争よりも、徒競走の方がハードル高かったかもね。やっぱり出なくてよかった」
○○は自分の予感の正しさに独り言ちた。
そして迎える三年女子による徒競走、最終組。最後の組には、さっちゃんがいる。
「○○さん、貴女はそうやって見学しているがいいわ! 銀八先生の役に立つのは、私よ!」
骨折して競技に出られない○○は、当然3Zの、白組の得点を稼ぐ役は担えない。
さっちゃんは高飛車な態度で、○○を見下している。
「ハイハイ。わかったから周り見なさい。もうみんなクラウチングスタートの体勢、整ってるよ」
スタートラインで立っているのは、さっちゃんだけ。
さっちゃんが慌てて座り込んだ時、ヨーイドンの合図はなされた。一人大幅に遅れて走り出すさっちゃん。
だが、そこは元御庭番衆の忍者……ではこちらの世界ではないが、猿飛あやめ。
一般ピープルの他クラスの生徒など、てんでお話にならない。
出足のロスを物ともせず、見事一番にゴールへとたどり着いた。