第22章 同級生⦅虎杖ver⦆
そんな話をしていると、また なな の携帯が着信を告げた。
『もしもし……、あぁ…、うん……そぅだね』
相槌ばかりで話ができないでいる なな の肩を叩いて、虎杖が「代わって」とジェスチャーした。
言われるまま虎杖に携帯を渡す。
虎「あ~、もしもし??
俺、虎杖悠仁って言うんだけど、今度の同窓会? なな 行けないから」
虎杖と電話相手のやり取りを、見守っている なな に、釘崎は「大丈夫よ。虎杖に任せておきなさい」と言った。
釘崎と伏黒、ななで 成り行きを見守っていると、やっと話がまとまったようで、虎杖が電話を切った。
虎「電話、ありがとな」
虎杖は ニッ と笑って、なな の手に携帯を渡した。
『うぅん…、私の方こそ ありがとう』
伏「相手は納得したか?」
虎「あ~、大丈夫。
てか、なな が話してた中学の同級生って男だったのな?!」
釘「へぇ。まぁ、なな も女の子とも言って無かったわね」
そう言って、釘崎と なな は寮に戻って行った。
伏「……電話相手と何かあったのか?」
教室に残された伏黒は、虎杖に声をかけると、虎杖は「ん~、何て言うか……」と言葉を選びながら、答えた。
虎「…電話相手はさ、たぶん なな の事 好きなんだと思うんだよな……」
伏「??」
虎「なな の事ばっかり聞くし」
伏「そりゃあ、なな 宛に電話してるんだからなぁ」
冷静な返答をする伏黒に、虎杖は「そぅ言う意味じゃなくて」と困りながら、眉間に皺を寄せた。