第187章 呪⦅五条ver⦆
⦅ やっと見つけた♡ 僕の愛おしいヒト♪ ⦆
真っ黒い目隠しをし、口角を持ち上げて五条は笑った。
☆ ☆ ☆
「僕と なな はきっと前世から夫婦になる運命だったんだね♪」
ニコニコしながら、なな の机に両肘を立てて整った顔を支える五条。
『アハハ…』
それを苦笑しながら受け流す なな 。
「…………ロリコン」
釘崎の冷たい視線を跳ね返すように、五条は目隠し越しに熱い視線を なな に送り続けていた。
「ホント、五条センセーって 月宮 の事 好きだよなぁ」
椅子の上で器用に胡座(あぐら)をかきながら虎杖は言った。
「先生。月宮 は未成年ですからね。不祥事でニュース沙汰だけは止めて下さいね」
「伊地知みたいな事言うなよ 恵ぃ」
新入生を迎えた高専1年生教室は いつもこんな感じだ。
⦅ ずぅ~っと待ったんだ。あと5~6年くらい我慢するさ ⦆
五条は目の前の なな の柔らかい頬を ぷにっ と人差し指で触れ、満足そうに笑った。
『五条先生…、なんで私なんですか?』
ある時、五条と2人きりになった なな が控えめに聞いてきた。
「僕の一目惚れ♡
前世の僕が、運命のヒトを間違えないようにしたんじゃないかってくらい僕、今まで誰にも興味無かったの。けど、なな を見た瞬間、運命のヒトだ、って思えたんだよね」
普段はぐらかされてしまう質問に、五条はテレるでもなく答えてくれた。