第177章 ひまわりの花言葉⦅宿儺⦆
『私、前世とか、記憶とかよく分からないですけど、貴方には いつもみたいな強気な笑顔で居てもらいたいです。
だから、まずは お友達から始めませんか?』
自分を見つめ、そう言う なな に男は「そうか」と笑った。
「まずは "お友達" からだな」
男は そう言い、自分のスマホを取り出した。
お互いに連絡先を交換し、【客と店員】ではなく【友達】になった。
男は宿儺と言った。
宿儺には前世の記憶があり、店の前で花に水をやっていた なな を見つけた時は とても驚いたと言っていた。
話しかける口実に、前世で なな が好きだった ひまわりを贈る事にしたそうだ。
友達になってからも宿儺は なな に1本ずつ ひまわりの花を贈った。
2人でご飯を食べに出掛ける事も増えた。
ある時、宿儺は 1本のひまわりではなく、11本のひまわりを なな に渡した。
「そろそろ俺を男として視るようになったか?」
ケヒッと笑う宿儺に、なな は『うん』と恥ずかしそうに頷いた。
宿儺から1本の ひまわりを受け取るようになり、ひまわりがだいぶ増えた。
枯れてしまいそうな ひまわりはドライフラワーにして壁に飾っていた。
ふと なな は ひまわりを数えると98本になった。
『たくさん貰ったなぁ』
感心しながら ひまわりの花の数を検索した。
『え//』
99本の ひまわりの意味が検索結果に表示され、なな は顔を赤く染めた。