第177章 ひまわりの花言葉⦅宿儺⦆
『??
気に入らなかったですか??』
小首を傾げる なな に、その男は「いいや」と言い「お前へプレゼントだ」と言って去っていった。
それから2~3日のペースで その男は来店した。
そして ひまわりを1本買っては なな に渡す。
そんな日が続いた。
ある日。
いつものように男が ひまわりを頼むと「今日は3本頼む」と言われた。
言われたように3本ラッピングを済ませると、その男は なな を見て言った。
「ひまわりの花言葉を知っているか?」
『ええ、あなただけ見つめる、ですよね?』
「別の意味もあるぞ」
男は口角を上げ、ケヒッと独特な笑い方をした。
「検索してみると良い」
男に促されるまま、なな はエプロンのポケットから自分のスマホを取り出して検索した。
検索結果を読み、なな の『え? え??』と戸惑う様子に、その男は またケヒッと笑った。
「受け取ってくれるか?」
3本の ひまわりを なな に差し出し、俺は言った。
『え? 何で??
どこかで会いましたっけ??』
尚も混乱している なな は ひまわりを受け取る事はせず男に聞いた。
「いいや」
『じゃあ どうして??』
不思議がる なな に男は「俺は前世から お前だけを見ている」と言った。
『前世?』
「今世(いま)の お前には記憶が無いのか…」
眉尻を下げ、少し切なそうに笑う男に なな はドクンと胸が高鳴った。
『…そんな表情(かお)しないで』
持っていたスマホをぎゅっと握りしめ、そう言った。