第177章 ひまわりの花言葉⦅宿儺⦆
⦅ あと1本で99本…//
今日は宿儺さん、お店に来なかったから明日か明後日には お店に来るかな// ⦆
ひまわりを期待しているわけではないが、なな の心臓はドキドキと鼓動を早めた。
☆ ☆ ☆
「ひまわりを1本くれ」
いつものように店に表れ、なな に ひまわりを注文する宿儺に、99本の意味を知った なな は花に何故だか宿儺を見る事ができずに自分に贈られるであろう ひまわりを包んだ。
『どうぞ』
宿儺へ渡そうとすると「お前へだ」と言われ、99本目の ひまわりが贈られた。
「どうした? 顔が赤いぞ?」
ニヤリと笑い、なな を見る宿儺。
「いくら鈍感な なな でも さすがに99本の ひまわりの意味を知っているのか」
クックッと肩を揺らす宿儺に なな は ひまわりを見つめた。
『……どうして、ここまでしてくれるの?』
「前世で お前は俺の嫁だった。
俺が生涯唯一愛した女だった。
前世の記憶が無くても、俺はきっと なな に惚れていただろうな」
なな の頬を宿儺の大きな手が撫でた。
「お前の真っ直ぐな所が昔も今も好いている」
カァァ、と顔を真っ赤にする なな に宿儺は「ケヒッ」と笑った。
「俺と結婚を前提に付き合わないか、なな 」
なな は『よろしくお願いします』と微笑んだ。
いつの間にか なな は宿儺の来店を待ちわび、宿儺との連絡を楽しみにしていた。
それが恋であることを自覚するには そう時間はかからなかった。
98本の ひまわりに気づいた時、『もしかしたら』と思っていた期待は なな の胸の鼓動を高鳴らせた。