第167章 おいで⦅虎杖ver⦆
「で? 死んだ同級生ってどんな奴だったんだよ」
交流会に向け、2年からしごきと言う名のトレーニングを受けながら、休憩中だった伏黒に真希が聞いた。
「…虎杖は、一言で言うなら善人です。
きっと誰からも好かれるような そう言う奴です」
ふ~ん、と真希の相槌の後、伏黒は少しだけ間を開けてから続けた。
「………… なな と虎杖は付き合ってました。
だから、なな の前で虎杖の話はしないでやってください…」
ぎゅっ、と合わせていた両手を強く握り締める伏黒を横目で見た後、真希は口を開いた。
「珍しいじゃねぇか、恵がそんな風にヒトの事を気遣うなんて。
…… なな は お前にとっても特別なのか?」
ニヤリと口角を上げ、そう聞けば伏黒は眉間に皺を寄せ黙って真希を睨み付けた。
「おー怖。
だけど、お前 意外と分かりやすいよ。せいぜい頑張れよ」
それだけ言い、真希は「おーい、パンダ交代だ!」と言いながらグラウンドに入っていった。
☆ ☆ ☆
そして交流会当日。
庵率いる京都校の生徒が到着し、それぞれに喧嘩を吹っ掛けていると五条がテンション高めに荷台を押しながらやって来た。
謎の人形のお土産を京都校の生徒に渡し、東京校の生徒たちに向き直ると、「故人の虎杖悠仁君でぇーす!」と言い、それと同時に箱から虎杖が飛び出した。
「はい! おっぱっぴー!」
ダダスベリ感丸出しのまま硬直する虎杖に、釘崎は箱をガンッ!と蹴り、「なんか言う事あんだろ」と睨まれた。