第167章 おいで⦅虎杖ver⦆
少年院での任務に1年生4人が派遣された。
なな は釘崎と一緒に穴に飲まれ、2人で協力しながら呪霊を祓っていたがキリがなく、呪力が尽きた。
もうダメだ…、と諦めた時、伏黒の式神が2人を救出した。
「無事か?!」
蝦蟇の口から伏黒を見るが虎杖が居ない。
『悠仁は?』
問いかける なな をチラリと見て、伏黒は「話は後だ」と言い、建物から離れた。
蝦蟇の中にいる間、なな は嫌な胸騒ぎを感じていたが もう体が動かなかった。
そして家入の治療を受けながら、電話越しに聞こえた虎杖の死亡報告。
『…電話………何だったんですか…?』
やっと振り絞って出した声は震えていた。
「……………キミは聞かない方がいい」
なな を見て家入は そう言ったが、『教えてください』と なな は言った。
「…伊地知からの報告だ。
虎杖悠仁が死亡した」
なな は血の気が引くのを感じ、目の前が真っ暗になった。
座っていた椅子から倒れそうになった所で家入が体を支えてくれたおかげで怪我をする事は無かったが、意識を失った なな の瞳からは涙が流れていた。
「…だから聞くなと言ったのに…」
家入は なな の頬を伝う涙を優しく拭った。
☆ ☆ ☆
なな と同じように治療を受けた釘崎や伏黒にも虎杖の事は伝えられた。
石の階段に3人で腰掛け、セミの鳴き声が響く。
誰も虎杖の名は口にしなかった。
そんな中、2年生に煽られるように3人は京都姉妹校との交流会に参加する事になった。