第159章 矛盾と葛藤⦅五条⦆
五条 side
突然 なな から告げられた別れの言葉。
思いあたる節なんて無いから、何を言われているのか分からなかった。
なな に理由を聞けば、泣かないように唇を噛みながら、ゆっくり話し出した。
あぁ、そんなに強く唇を噛んだら血が出てしまうよ。
『いつも、連絡するのは私ばっかり』
最近は任務で忙しくて自分から連絡した事無かったかも…。
『私 誕生日過ぎたんだよ』
あぁ…、そうだった。
なな に会ったら ちゃんと【誕生日おめでとう】って言うつもりだったのに、久しぶりに なな と会えて話をし始めたら誕生日のお祝いを言えていなかったね。ゴメンな。
『ツライよぉ』
俺も なな の泣き顔を見るのはツライ。心臓がズキズキと痛むよ。
『どう思ってるのか分かんない』
俺の気持ちは なな と付き合った あの時からずっと変わらないよ。
ずっと一緒に居たいと思っているし、愛してる。
泣きじゃくる なな の髪を撫でる。
「連絡…、なな ばかりにさせてゴメンな。
誕生日、一緒に祝えなくてゴメン…。
…泣かせてゴメン…。
俺の気持ちは ずっと変わらない。
なな の事が大切で大好きで愛してる」
泣き止まない なな 。
一度泣き出すと止められないよね。
小さな子どもを あやすように、なな の頭を優しく撫でる。