第157章 面白くない⦅宿儺 現パロ⦆
宿儺side
なな 、酔っぱらってるな…。
まるで隙だらけだ。
はぁ、と ため息をついて なな を見れば『もぅ、何で ため息つくんですかぁ?』と少し舌足らずに聞かれた。
「そんなだから新人にベタベタされるんだ」
片手で ぐぃぃ と なな のほっぺをつねると、なな は『いひゃい』と言った。
「ったく、人の気も知らないで」
ボソッと呟いた言葉は店内の騒音に書き消された。
1時間後。
なな は完全に酔っ払っていた。
「おい、なぜそんなに酔うまで呑んだんだ」
なな の腕を肩に回しながら店の外に出る。
『明日はお休みだから、良いんですぅ♪
何で宿儺さんは酔ってないんですかぁ? お酒強すぎでしょ♪』
「絡むな、面倒くさい」
はぁ、と ため息をつけば今度は泣き出した。
『ぅう"~…、面倒くさいなんて言わないで下さいよぉ……
好きな人に そんな事言われたら傷つくよぉ……』
「…は?」
『ん?』
「お前、昼に言ってた好きな人って…?」
なな を見て聞けば、なな は にっこりして答えた。
『宿儺さんですぅ♪』
「…………………はぁ」
自分でも驚くほど、大きな ため息が出た。
『また ため息…、宿儺さんは……私の事キライ…ですか……?』
「阿呆が」
そう言って なな の顔を自分の方に向け、真っ直ぐ なな を見た。
「いいか、明日シラフの状態で話がある。
待ち合わせ時間は後で連絡を入れておくから確認しておけ」
近くにタクシーを見つけ、なな をタクシーに乗せ自分の家へ帰す。
なな の乗るタクシーを見送った。