第157章 面白くない⦅宿儺 現パロ⦆
去年までは なな の隣に居るのが当たり前だったはずの その場所は、今は新人が居る。
気がつけば仕事以外の話をしているし、肩が触れる程の距離感で話をしている。
…近すぎるだろ。
新人と なな の様子を見ると何故か新人に対してイラついた。
久しぶりに なな と昼を一緒に食べながら最近の事を聞けば なな は好きな人が居ると言った。その言葉に何故か胸の奥がツキンと痛んだ。
なな が誰かのものになる前に、触れておくくらい罰は当たらないよな。
なな の頭に、ぽん、と手を置いて先に部署へ戻った。
その後も新人は なな の隣に居ては肩が触れる距離で何か話をしたりしている。
面白くない。
「おい、私語は慎め。仕事中だろう。お前の私語に付き合ってるから 月宮 の仕事が終わらないんだ」
気がつけば新人に向かって そう言っていた。
新人は驚いた表情をして「スミマセン」と言い、やっと なな から離れた。
『宿儺さん、ありがとうございました』
早速カチカチと書類を仕上げる なな に目をやり、自分のデスクに戻る。
デスクに着くとスマホに新着メッセージ。
誰かと思えば なな からで
【さっきは ありがとうございました。
お礼と言ってはなんですが、今日、飲みに行きませんか?】
と書かれていた。
ちらり と なな の方を見ると、目が合い なな は慌てて視線をパソコンに戻した。
その様子に笑いが込み上げてきたが、【了解】と返事を返した。
そのまま なな の様子を見ていれば、スマホを見てから こちらを見た。
照れくさそうに笑い、なな はまたパソコンに向かい合った。
視線を感じ、視線のする方に目をやれば新人が こちらを見ていた。
俺と視線が合うと罰が悪そうにキーボードに視線を落とした。
勘違いしてくれている様なので否定せず そのまま俺も自分の仕事を再開した。