第12章 嫉妬⦅虎杖ver⦆
しかし、虎杖の隣には知らない女の人が座っており、その子と楽しそうに話をしている。
『…っ…!』
ズギン、と胸にトゲが刺さるような感覚に、なな は息を飲んだ。
虎杖の所へ行って、声をかけるべきか悩んでいた。
すると、「あれ~? どぅしたの~?」と知らない男に声をかけられてしまった。
『…何でもないです。急いでますから』
そう言い、男の元を離れようとするが男に腕を掴まれてしまった。
「可愛いじゃん♪ ねぇねぇ、名前教えてよ~。LINEの交換しよっか♪」
『離してください!』
高専で体術を学んでいる なな だが、さすがに不意打ちで腕を掴まれ、ましてや それが男の力となれば ビクともしない。
⦅…あ~……なんかイライラしてきた………。ボコろうかな………⦆
五条からは
「キミ達の体術は一般人に使っちゃダメだからねぇ♪ 一応 校則で決まってるから、そこんトコよろしく☆」
と言われていた。
しかし、一向に腕を離そうとしない男に嫌気を見せながら、五条に説教受ける覚悟で男をボコる事にした なな は 男の方を向き、掴まれている腕に グッ と力を入れ 男との距離を縮めようと構えた。
虎「俺の彼女に なんか用??」
男の肩に手を置いて、いつもの軽い感じで声をかける虎杖が居たため、なな は いつでも男を殴れる体勢を取りながら様子を見守った。
「お前の彼女?? そんなの知らねぇし、どっか行けよ」
虎杖の方を向き、未だに なな の手を離さない男。