第12章 嫉妬⦅虎杖ver⦆
『悠仁ってさぁ…。…悪気は無いと思うんだけど………天然の人たらし だと思うんだよねぇ…』
はぁ。と、ため息をついて なな は同級生の釘崎に愚痴った。
釘「まぁ人懐っこいとこあるから、自然と人の中心に居るタイプね、アイツは」
『…でしょ………。悠仁と付き合ってるっていう実感が無い…………』
釘「う~ん……、でも あんた等 似た者同士だと私は思うんだけどなぁ」
『そんな事無いよぉ、私 人見知りだもん』
ペタッ、と机に上半身を預け、顔を伏せる なな に釘崎は「まぁ、まぁ、あんた等なら大丈夫よ!」と笑った。
☆ ☆ ☆
虎「あ! なな、今度の休み どっか出掛けよ」
『うん♪』
虎杖からの お誘いに、嬉しそうに返事をする なな だったが、虎杖は近くに居た伏黒と釘崎も「一緒に行く??」と誘っていた。
釘「私 パ~ス。なな と2人で出掛けるなら良いけど、おまけ が付くなら今回は行かなーい」
釘崎は伏黒に目で合図を送り、伏黒も「俺もパス」と誘いを断った。
伏「たまには2人で出掛けてきたら どぅなんだ?」
虎「あぁ…。そぅだな♪」
伏黒と虎杖の やり取りに なな はチクリと胸が傷んだ。
☆ ☆ ☆
虎杖と なな は2人きりのデート。
嬉しいはずなのに、なぜかあまり会話が弾まない。
『…私トイレ行ってくるね』
虎「あ、俺も行こっかな」
2人は近くの公園に寄った。
虎杖の方が先に戻ってきていたようで、少しトイレから離れたベンチに座っているのが見えた。