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一緒に夢みませんか?[呪術廻戦]

第156章 浮わついた気持ち⦅五条⦆


いつもと違う なな の様子に、僕の心臓はドクドクと嫌な鼓動をたて始めた。

「なな…」

なな に触れようと伸ばした手。
それを拒否するように なな は涙を流しながら言った。

『…ッ…嫌い! ………もぅ…っ…無理』

それだけ言って玄関から出ていく なな の後ろ姿を僕は追いかける事が出来なかった。
鈍器で頭を強く殴られたような衝撃で その場を動けなかった。
自分で撒いた種。
なな の悲しそうな顔を何度も見たのに、同じ事を繰り返した僕への罪。

その日以降、なな は僕からの連絡を断った。
当たり前の事だけど、かなりキツイ。

1年生達でも分かるくらい僕は暗い表情をしていたようだ。

「センセー大丈夫??
なんか…無理して笑ってる感ハンパないんだけど…」

悠仁から遠慮がちに そう言われ、「そぅ?」と他の2人を見れば大きく頷いてる。

「どうせ なな さんと何かあったんでしょ?」

さすが女の子。野薔薇は鋭いね。

「先生が悪いと思います」

恵、僕まだ何も言ってないけど何で決めつけるの?

「まぁ…、大人の事情ってヤツかな…」

あはは、と誤魔化してみた。

ぽかん、とする悠仁とは対称的に野薔薇と恵はかなり冷たい視線でこちらを見ている。

「…サイテー…」

野薔薇、刺さる。コトバが刺さる。

恵も そんな目で僕を見ないで。
もう心ズタボロだから止めて。

「…どぅしたら なな 許してくれるかなぁ」

はぁ、とため息をつきながら思った事が口に出ていた。
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