第11章 嫉妬⦅宿儺ver⦆
店のおばさんに手を振り、なな は宿儺に何やら話しかけ、笑顔で帰っていった。
その様子を見送っていた店のおばさんは、男に「諦めな」と諭した。
「今の なな ちゃんの顔 見たろ?
あれは お互い愛し合っている証拠だよ。誰も入る余地なんてないのさ」
「残念だなぁ…、本当に旦那さんが居たなんて……」
「そのうち、アンタにも良い縁がやってくるよ!」
店のおばさんはバシン!と男の背中を叩いて笑った。
☆ ☆ ☆
宿「…さっきの男は なな に気があるように見えたな…。恐怖を味あわせておいた方が良いかもしれんな…」
屋敷に帰り、なな のご飯を食べながら、普段通りの姿に戻った宿儺は顎に手を当て、本気で悩んでいた。
『宿儺さま それはダメですよ』
なな に止められ、宿儺は「なぜだ」と少しイラついて聞いた。
『私は宿儺さま以外の男性など興味ありません。ずっと貴方だけ愛し続けます』
宿「……………」
納得出来ないような表情の宿儺に、なな は身を乗り出して 宿儺の頬にキスをした。
『大好きです、宿儺さま』
自分からキスした恥ずかしさから、顔を赤くしながら なな は笑った。
宿「フン…、お前は俺の扱いが うまくなったな」
宿儺は満足そうに なな の頬を撫でた。
*宿儺ver おわり*