第151章 付き人の苦労⦅虎杖ver⦆
伊地知を黙らせ、なな は自分の任務へ向かった。
それを後悔した時はすでに遅かったー。
【虎杖くんが亡くなりました】
伊地知が電話越しにそう伝えた。
安置所に五条、なな、伊地知が静かに、白い布をかけられ横たわる虎杖を見た。
五条は静かに怒り、「みんな殺してしまおうか」と拳を握り締めていた。
なな も同じ気持ちだった。
だが なな は、生い先短い老人を殺す必要は無いと考えた。
家入が入室し、解剖の支度を整えると横たわっていた虎杖が上体を起こしたのだ。
なな と伊地知、家入は驚いたが、五条はニコニコしながら虎杖とハイタッチしていた。
その後、家入の話では虎杖は宿儺の反転術式で生き返ったのでは無いかと仮説が立てられた。
虎杖復活の話は その場にいた五条、なな、伊地知、家入だけの極秘案件となった。
そして、五条提案と ご指名により虎杖は七海と任務をこなしながら実戦訓練を行った。
☆ ☆ ☆
虎杖復活告知の日(京都校交流会当日)。
虎杖に明らかにシラケる提案を伝えている五条に、なな は ため息をついた。
生徒、東京校学長、京都校学長に虎杖復活を報告(?)した五条は楽巌寺の反応を にやにや と楽しんでいた。
交流戦が始まるまでのミーティング。
それぞれの部屋に移動しようと、なな の隣を歩く虎杖を じとっ と見つめる楽巌寺の視線に気づいた なな は楽巌寺に声をかけた。
『楽巌寺学長、何か御用ですか?』
「………なぜ生きている」