第151章 付き人の苦労⦅虎杖ver⦆
【秘匿死刑対象、虎杖悠仁】
高専の掲示板に張り出された紙を読み、なな は『何て読むんだ?』と首を傾げた。
翌日、五条が なな に声をかけた。
「やぁ、なな 。掲示板見た?」
『はい。名字読めなかったんですけど、何て読むんですか?』
「いたどり、って読むんだよ」
『へぇ』
名字の読み方以外興味の無かった なな はそれだけ確認し、五条と別れようとすると「何で秘匿死刑になったか気にならない?」と聞かれた。
『別に?』
「もぅ冷たいなぁ なな ってば。
彼ね、まだ15だよ? 死刑なんて可哀想だと思わない?」
『15ですか、若いですね』
「彼ね、両面宿儺の指食べたんだよ」
『は? 普通その時点で死ぬのでは?』
五条のウソだと思っている なな がそう言うと、五条は口角を上げた。
「僕が思うに彼には器としての素質がある。
それなのに上層部のおじぃちゃん達は "殺せ殺せ" の一点張り。
だから、どうせ殺すなら宿儺の指を全部取り込ませてから殺したらどうかって言ったら黙ったよ♪」
『…へぇ、それで?』
悪い予感しかしない なな がそう聞くと五条は にやり と笑った。
「彼の監視役お願いね♪」
『何で そうなるんですか?
私関係ないし、五条さんがやれば良いじゃないですか、最強なんでしょ?』
「僕ってば遠方の任務で忙しいじゃん? なな は1級だし、もし宿儺が暴れ出したとしても封印術で僕が到着するまでの時間稼ぎもできる。
それに何より弁が立つ♪」
『………』