第150章 付き人の苦労⦅五条ver⦆
遅刻すること無く会場に到着した五条と なな 。
2人を出迎えた禪院家当主からは「珍しい事もあるもんだ」と言われ、加茂家当主からは「雪でも降るのか」と言われた。
「さぁ、早く終わらせましょう。
僕、あなた達と違って任務で忙しいので」
口角を持ち上げ、そう答える五条に苦虫を噛み潰したような表情をする加茂家と禪院家。
無事に集会も終わり、五条家に戻ると老人達の小言が聞こえた。
「六眼を持って生まれたから当主になれただけの小僧めが」
「何かにつけて1人で全て決めてしまう。五条家はおしまいだ」
『ただいま戻りました。
さぁ、悟さま お部屋へ戻りましょう』
老人達に聞こえるようにわざと大きな声で そう言い、なな は五条を自室に促した。
「僕平気だよ?」
歩きながら五条は なな に言うが、なな は悔しそうに拳を握っていた。
『確かに悟さまはワンマンだけど、悪い事してるワケじゃないですもん。何であんな言い方されなきゃならないんですか?』
「当主にしたら若すぎるからじゃない?」
自分の事なのに他人事のように言う五条に、なな は足を止め、五条を見て言った。
『年齢なんて関係ありません!
私は呪術師として悟さまを尊敬しています!
それなのにただの僻(ひが)みで悟さまの悪口だなんて…。
付き人の私がもっと発言力があれば悟さまの悪口を言う人なんて居ないのかもしれないのに……。……スミマセン、悟さま…』