第149章 付き人の苦労⦅宿儺ver⦆
ある晩ー。
「酒に付き合え」
言われて宿儺の隣に座り、お猪口に注がれた酒を ちびちび 呑む なな 。
「酒は弱いのか?」
お猪口の酒をクイッと一気に飲み干した宿儺は なな に聞くと、『あまり呑んだ事がなくて』と答えた。
宿儺はケヒッと笑うと、煽るように なな に酒を呑ませた。
⦅ ……………呑ませ過ぎた… ⦆
宿儺の傍らには顔を真っ赤にして笑いこけている なな 。
「水を持ってくるから もう呑むな」
『だ~ィじょーぶ れすよぉ』
ケラケラ笑いながら宿儺の腕をパシパシ叩く なな だったが急に静かになった。
「?」
そっと なな を盗み見ると すー…すー… と寝息を立てていた。
「寝たか」
ひょい と なな を横抱きし、宿儺は自分の布団に下ろした。
宿儺は なな の隣に横になり、規則正しく寝息を立てる なな を見た。
「寝ている姿は幼子(おさなご)のようだな」
頬にかかる髪を さらり と撫で宿儺は笑った。
翌日、目覚めた なな は宿儺に腕枕されている理由を必死に思い出そうと頭をフル回転させていた。
*おわり*