第149章 付き人の苦労⦅宿儺ver⦆
なな は山菜を取りに山に入ったが迷い、の垂れ死にそうになった所を宿儺に助けられた。
助けたのは宿儺の気まぐれだろう。
☆ ☆ ☆
ある日の出来事。
「コレで何か飯でも作っておけ」
そう言われて出されたのは猪。
『…解体するのですか…?』
毛皮がついたままの猪を見て なな がそう聞けば、宿儺は当たり前だと言わんばかりに首をかしげた。
「俺は このままでも喰えるが、お前はこのまま喰えるのか?」
『…無理です』
宿儺を送り出し、猪の解体に頭を悩ませる なな だった。
☆ ☆ ☆
そしてまた別の日、月が輝き始める頃。
宿儺は屋敷へ戻ってきて なな に「明日は早朝に起こせ」と伝えた。
なな は理由は聞かずに『分かりました』と答えた。
翌朝ー。
『宿儺さま、起きて下さい』
宿儺の寝室に入った事の無かった なな は恐る恐る宿儺を起こした。
「……………」
下の眼が開き なな を見る。
『起きて下さい、宿儺さま』
宿儺のたくましい上腕をユサユサする なな に、宿儺は眉間に皺を寄せた。
⦅ あぁ…、朝は弱いのね…… ⦆
どうしたもんかと頭を悩ます なな だったが、"起こせ" と言われて居たので意を決し、宿儺の大きな布団の端を掴んで『失礼致します!』と言いながら宿儺から布団を剥ぎ取った。
眉間に皺を寄せ無言のまま体を起こした宿儺に、なな は『起きましたね?』と確認して部屋を去った。