第129章 愛ゆえに⦅現パロ 宿儺・虎杖 双子設定⦆
「俺も宿儺と同感! 高専から出るなんて絶ぇ~っ対 許さないからな!」
虎杖もプンプンしながら怒っている。
『だって私、呪霊視えないし…
何も役に立たないのに、高専に居ていいのかなぁ…』
しゅん、とする なな の頭を宿儺は ガシッと掴んでぶっきらぼうに左右へ わしゃわしゃ した。
「お前は俺達のそばに居るだけで良いのだ、それが存在理由で何が悪い」
俺の言葉が全てだ、と言わんばかりに宿儺はいたずらっ子のように笑った。
「宿儺ばっかりズリィ!」
虎杖は なな の背中をポンと優しく叩き、「高専のみんな なな が大好きだから、高専を出るとか言うなよ」と笑った。
『うん』
いつものように なな は虎杖兄弟のペースにのまれて頷いた。
高専に戻ると釘崎や伏黒、みんな家族のように なな を受け入れてくれる。
なな は別に高専が嫌いなわけではないのだ。
ただ、何も出来ない自分に不甲斐なさを感じ、時には劣等感を感じていた。
「なな が危険な事に巻き込まれないのが一番だ」
「なな に何かあれば俺達が全力で助けるから」
宿儺に続いて虎杖も そう言った。
『ありがと』
なな はやっと笑った。
なな が高校での生活に慣れた頃、宿儺と虎杖は いつものように下校時間、なな を待っていた。
「遅いなぁ、なな …」
虎杖がそう呟きながら、玄関の方へ目を向けると 楽しそうに笑っている なな と知らない男子生徒が話をしていた。
「どうした? 悠仁」