第122章 見守る⦅宿儺 現パロ⦆
「宿儺のあんな顔初めて見た…」
カシャ…、突然隣から聞こえた機械音に目を向ければ釘崎が2人を盗撮していた。
「後で なな に送ってやんのよ♪ なな 喜ぶわよ~♪」
その頃 なな たちは。
『……取れない…』
しゅん、とする なな 。
すでに二千円は投資しただろうか。
クレーンゲームのアームに一喜一憂する なな を見て、宿儺は口角を上げ優しく なな を見守っていた。
「どうしても欲しいのか?」
なな にそう聞けば『悔しいんだもん!』と返事が返ってきた。
負けずキライなその発言に、宿儺はクスリと笑っていたが、ぬいぐるみをゲットする事に夢中な なな の視界には入らなかった。
「ちょっと貸してみ」
突然、なな の隣から虎杖が現れた。
「?!」
ぎょっとする宿儺を無視し、虎杖は器用に ぬいぐるみを少し動かすと、なな に言った。
「たぶん これで取れるよ」
なな に ぬいぐるみのどこを狙うかや、アームを閉じるタイミングを伝え、実際にやってみる なな 。
ポトッ。
『取れたー! ありがとー悠仁!』
賞品口から ぬいぐるみを取り出し、ぎゅっと抱きしめる なな 。
その様子を満足そうに見ている虎杖。
青筋を立て、明らかに怒りの表情をしている宿儺。
「…お前、何しに来た」
いつもより低い声に、やっと宿儺が怒っている事に気づいた虎杖は ハッとした。
なな の様子を見ていられず、つい釘崎達の元から出てきてしまったのだ。