第92章 共通点探し⦅虎杖悠仁⦆

そう言う伏黒の言葉を遮るように、教室の扉がガラリと開いた。

「おーい、伏黒ヒデェじゃん置いてくなんてさぁ」

そう言いながら教室に入ってきた虎杖は、なな を見て「あ！」と言った。

『……虎杖くん…』

伏黒に隠れるように虎杖の視界から逃げようとする なな に、虎杖は なな の近くにやってきた。

なな の様子を見て、伏黒は「おい」と虎杖に声をかけた。

伏「嫌がってるだろ」

虎「ぇ"？！ なな 俺の事キライだったの？」

ショックを受けている虎杖に、伏黒は頭に「？」マークを浮かべながら聞いた。

伏「なんで なな の名前知ってるんだよ」

虎「同じ小学校だったから」

『……………』

硬直したまま下を向く なな に、伏黒は「とりあえず離れろ」と言い、なな から虎杖を離した。

伏「大丈夫か？」

伏黒の言葉に黙って頷く なな 。

その様子を見ながら、虎杖は なな に声をかけた。

虎「なぁ、何で喋んないの？？
前は普通に喋ってたよな？？」

首を傾げる虎杖に、伏黒はため息をつきながら「黙ってろよ」と言った。

虎杖の質問にオドオドしている なな を見て、伏黒は聞いた。

伏「俺から話しても良いか？」

先ほどと同じように、黙って頷く なな 。

伏「なな は中学の頃に イジメにあったんだ。
…呪霊が視えるのを不気味がられて。
親も なな を腫れ物みたいに扱って中学から引きこもってたみたいだ。
なな の親は どこから聞いたのか高専に志願書を書いて、なな を入学させたんだ」