第92章 共通点探し⦅虎杖悠仁⦆
伏「どうした? 大丈夫か?」
6月。
ぼーっとしている なな に伏黒が声をかけた。
『大丈夫。それにしても教室が広いね…』
2人しか居ない教室。
五「おっはよー♪」
いつもと変わらず、テンション高めの五条がやってきた。
五「仙台で任務が入ったんだけど、2人で行く?」
伏黒と なな に聞く五条。
仙台は なな の地元なのだが、なな は顔を曇らせた。
伏「……。2人で行かなきゃいけない任務なんですか?」
なな を気にしながら、伏黒は五条へ聞いた。
五「呪物の回収だから1人でも良いよ」
視線を下げたままの なな を見て、伏黒は「俺が行きます」と言った。
伏「回収って事は おおよそ場所の検討もついてるんですよね?」
五「そぅだね、高校の百葉箱に保管されてるって情報だよ」
伏「それなら俺1人で大丈夫でしょ」
五「オッケー♪ なら、明後日には向かってくれる?」
伏「分かりました」
着々と任務の話が伏黒に聞かされる。
『ゴメンね…、伏黒くん』
五条が出て行った後、なな は伏黒へ謝った。
『伏黒くんが行く高校、私なんとなく分かる…。…一緒に行こうか?』
伏「無理すんな」
ポン…、と なな の頭に手を置き、伏黒は優しく笑った。
なな は『ゴメン…、ありがと』とだけ言った。
☆ ☆ ☆
任務を終え高専に戻ってきた伏黒を見て、なな は驚いた。
『大丈夫?』
伏「あぁ、見た目程ひどくはない。それより…」