第34章 仲間⦅五条⦆
なな は近づいてくる呪霊に構える事を怠ってしまった。
そして、数mの距離に呪霊が近づいた瞬間、呪霊の女の子の上に別の何かを感じ、天井を見上げると異形の呪霊がいた。
女の子はすぐそこまで迫ってきている。
女の子に気を配りながら、天井の呪霊を見ると、その呪霊は自分の呪力で女の子の体に糸の用なものをつけ操っているようだ。
⦅とりあえず、糸を切らなきゃ⦆
なな はパワーストーンのブレスレットを引きちぎり、小さな水晶達が天に散らばったかと思うと、女の子と呪霊を結ぶ糸目掛けて飛んでいった。
パワーストーンとパワーストーンの間に なな の呪力の膜を流し、糸を切っていく。
女の子を覆っていた呪力の糸は全て切れたが、異形の呪霊が攻撃してきた。
なんとか攻撃をかわし、パワーストーンを1列に刀のように作り替える。
なな は異形の呪霊に向け、振り下ろした。
その時。
「…たす…け…て………」
女の子は恐怖と絶望の色を含んだ表情で なな を見た。
異形の呪霊が女の子を盾にしたのだ。
『?!』
なな はとっさに女の子を避ける素振りをしたため、隙ができてしまった。
グサッ、と女の子と なな の体に異形の呪霊の攻撃が入る。
「ギヒヒヒヒ♪」
女の子ごと刺された なな は、教室の窓際に投げられ、教室を破壊した。
グラウンドに放り投げられた なな は受け身を取り損ね、体を強く打った。
伊「なな さん!」
伊地知は なな と呪霊を交互に見た。