第29章 好きって言って⦅宿儺ver⦆
『不安になるの…
近くに居るのに何も話してくれないと、私だけが勝手に想ってるのかな、って』
宿儺の胸に額を当てたまま 呟いた。
宿「なんだ、そんな事を不安に思っていたのか」
呆れたような声を出す宿儺に、なな は ムッ として顔を上げた。
宿「……好きだ、なな……」
少し腰を曲げ、なな の耳元で甘く囁く宿儺の声。
宿「愛の言葉など いくらでも伝えてやろう」
わざとらしく なな の顎に手を添えて、上を向かせる。
宿「どんな言葉が欲しい?
なな の望む言葉を伝えてやろう」
ニヤリ、と笑う宿儺に なな は真っ赤な顔をしながら『…もう1回言って』とお願いした。
宿儺は、なな を抱きしめながら言った。
宿「愛しているぞ、なな
俺に こんな言葉を言わせる事ができるのは お前だけだ」
『私も…愛してるよ、宿儺』
お互いの体温を確かめるように、ぎゅうっ、と宿儺を抱きしめた。
*宿儺ver おわり*