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戦国怪奇譚〜弐〜

第3章 別れ




藤の木から姿を現したのは
色素の薄い髪に
オッドアイの武将だった


『……謙信様!』

慌てて立ち上がって
駆け寄る

『ここ安土城ですよ!?
どうやって……
まさか間違えたんですか?
見つかる前に早く出ましょう』

「間違えるわけないだろう」

『じゃあ佐助くんを脅して
忍び込んだんですか?』

「お前は俺をなんだと思っている」

『……私のことを心配して
敵である城に通いつめるくらい
優しくて困った人です』

「っ!……知っていたのか」

『すみません
何話したらいいのか
分からなくて…』

(私はこの時代に居ることを決めた
きっとそれは佐助くんから
聞いてるはずだ)

だから話すことは──


『……別れましょう
謙信様』

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