第4章 アラン=クロフォード
出来上がった料理を庭が見える窓辺のテーブルに運ぶ。
今日は肌寒く小雨が降ったり止んだりしている生憎の天気だが、この休みを逃すと桜をアランと楽しむことが出来ない様なので室内で楽しむことにした。
2人きりで食事をするのも久しぶりだった。
アランに教わって作った料理はどれも美味しくて、あっという間に楽しい時間は過ぎた。
料理と一緒にチェリーのブランデーを嗜む。
アラン「ところで何で急に料理教えろなんて言ったんだよ?」
キャリー「だって、普通の家庭は奥さんが旦那様の為にお料理作るでしょ?それに子どもが出来て大きくなったときにお母さんの料理は食べたことありません、なんて言われたらショックだもん。」
お酒のせいか、アランの頬が赤く染まって見えた。
空いた食器を下げようと立ち上がったその時、視界がグラリと歪む。
テーブルに手をつき何とか倒れずに済んだものの思ったよりお酒が回っている様だった。
アラン「大丈夫か?少し横になれ。」
ソファに連れて行ってもらい目を閉じると一瞬で意識が飛んだ。
そんな私の姿を見てアランが呟いた
「無防備すぎだろ」
という言葉は私には届かなかった。