第2章 レオ=クロフォード
そのまま庭に出るとブーケを渡される。
私が好きな色の花で作られたブーケを受け取り庭にいる人をみるとレオが言った。
レオ「戴冠式で国民みんなに認めてもらう前に身内だけでお祝いしたかったんだ。」
身内という言葉にレオを見上げる。
レオはニヤリと笑い言った。
レオ「マリアは従兄弟なんだ。クロフォード家の争いで俺と同じように両親を無くして色々苦労してるけど…。今はウエディングプランナーの勉強中なんだよ。」
キャリー「ウエディングプランナー…」
仕立て屋で楽しみにしろと言われたことが頭をよぎる。
私はマリアの元へ駆け寄った。
マリア「この場所、素敵でしょう?」
マリア「私、人生で1番幸せな時間をお手伝いするのが夢なんです。その第一号がプリンセスだなんて…光栄です。」
キャリー「こんな素敵な結婚式をありがとう。」
私はブーケを手渡す。
キャリー「マリアさん、私、幸せです。」
マリアもとびきりの笑顔を私に返してくれた。
そのまま庭で立食式の簡単なパーティが行われる。
アランの元へ行くとアランが言った。
アラン「もうこの間みたいな顔してねーな。」
その言葉にレオがピクリと眉をあげる。
そしてアランと私の間に割って入ると言った。
レオ「俺とアランは違うから。」
アラン「何言ってんだよ。当たり前だろ。」
眉間にシワを寄せて言うアランに真顔で詰め寄ると低い声で呟いた。
レオ「なら、同じ顔だからとか言ってキャリーちゃん口説くのやめてね。」
アランは目を見開くと真っ赤になる。
アラン「お前、見てやがったな。」
レオは私の肩を抱くとアランに言い放った。
レオ「まぁ、キャリーちゃんは俺じゃないとダメな身体になっちゃってるけどね。」
キャリー「レオ‼︎」
今度は私が顔を真っ赤にする番だった。
そして城に戻ると戴冠式へ向けて夜遅くまで準備に追われた。