第2章 レオ=クロフォード
戴冠式の前日。
式の流れを確認しドレスのフィッティングを行っていた。
レオも同席してくれて、鏡の中の私を見ている。
ベアトップのドレスのドレスに身を包み肘より上にくる長めの手袋、ドレスのスカートにはふんだんにレースがあしらわれていてタイトな上半身と絶妙なバランスのボリュームがあるものだった。
レオが私の素肌が出ている肩に触れる。
レオ「綺麗だよ。キャリーちゃん」
後ろから鏡ごしに囁かれて背中に痺れが走る。
レオ「行こう。」
ドレスのまま手を引かれドアから出て行こうとするレオに戸惑う。
キャリー「行くって…このまま?どこへ?」
レオ「秘密。ジルには言ってあるから。」
そのまま馬車に乗り込むと城下の外れに向かう。
小高い丘の上の教会に馬車は停まった。
桜の木に囲まれた教会は満開の花に囲まれてまるでおとぎ話の中のようだった。
扉を開けるとパイプオルガンの音が響く。
中ではアレン、マリアの他に数人の人が私達を振り返って拍手をしていた。
キャリー「これって…」
レオが無言で肘を曲げる。その間に手を置くと赤い絨毯の上を一歩ずつ進み神父の前に出た。
神父「レオ=クロフォード。貴方は病める時も健やかなる時もこの者を愛する事を誓いますか?」
レオ「はい。誓います。」
神父に告げると私を見て微笑む。
突然始まった結婚式に驚きを隠せなかったがその笑顔を見ると嬉しさが込み上げてくる。
神父に私も同じ事を誓う。
神父「それでは、誓いのキスを。」
私達は神様にキスを捧げた。