第4章 ピロートーク4
「もうすぐ七夕だな。短冊に願い事書いたか?」
「書いたよ」
「オレさ、いつまでも恭弥と一緒にいられますようにって書いたぜ」
「ふーん」
「恭弥は?」
「赤ん坊が僕に振り向いてくれますように」
「あれ?何コレ三角関係?泥沼化してるじゃねーか」
「別に泥沼じゃないし、ごく自然な流れだと思うけど」
「これ自然なのか?いやマズイだろ!恭弥本気か!?」
「うるさいな、僕は願いを書いただけだよ」
「…取ってくる」
「……」
「恭弥の短冊、むしり取ってくる!」
「冗談でしょ、止めてよ。咬み殺されたいの」
「これだけは…譲れないんだ!」
寝室を出てリビングに走るディーノ。
「……早とちり」
残された雲雀はひとり小さく呟く。
「あなたのことは、自力でするから」
星に叶えてもらうまでもない…
「…あれ?」
リビングに飾った笹にくくり付けた雲雀の短冊を見てみると…
そこにはどうやらヒバードに向けた願い事が書かれていた。
『きみの歌が上手くなりますように』
.