第6章 レストラン
フロアの中央テーブルに、大きなカエルのような見た目をした呪霊が天井を突き破って落ちてきた。
【ゲェェロォォお゛なか゛すいた…】
端の方のテーブルから「キャアアア!」と悲鳴が上がる。
暗闇の中でよく見えないが、巨大なカエルの姿をした呪霊が舌を伸ばして、レストランのお客を口の中に引きこんでいるようだった!
「明月さん、ケータイのライトを使って!」
「はい!」
七海は明月に呼びかけた。
ふたりは一旦、テーブルの後ろにかがんで隠れる。
カエルの口の中に人が入ってしまっていては、七海の十劃呪法(とおかくじゅほう)で呪霊にダメージを与えることはできなかった。
しかし、そうするうちにもカエルは再び舌を伸ばして二人目のお客を口にいれた。
七海はテーブルを伝って素早く呪霊の近くまで寄り、素手で呪霊を殴り飛ばした。
拍子に、口から二人のお客が粘液まみれになって飛び出してきた。
明月は、走り寄ってふたりをキャッチする。
「もう大丈夫です。あとは私たちに任せてください」