第3章 映画
たまの日課に談話室でくつろいで英字新聞を読んでいた七海。
正面のソファに座っている五条から突然話を持ちかけられた。
「雫はさあ、可愛いよね」
「なんですか急に」
七海は怪訝な顔をする。
「明月雫の話だよ。ななみぃ、任務で同じだったろ」
「なんの話ですか……」
ハァとため息をつく七海に、五条はにやーっと笑って言った。
「まあ、女の子らしくて可愛いし、引く手あまただろうねぇ、彼女は。そこでだ、ジャジャーン!」
「ジャジャーンってアナタ……」
「映画のチケットで〜す! 次の休暇に行ってきなよ〜、二人で」
五条は手に持っていたチケットをこれ見よがしにひらひらと見せてくる。
「いえ、結構です」
「ななみぃ、余裕こいてるうちに、ほかの男に取られても知らないよ〜」
「……。」