第17章 沖田総悟《夏の御祭り》
隅の階段で○○はたこ焼きを頬張る。
それはとても美味しかった。でも、侘しい。
「一人はつまんないよ、トシ兄」
射的も、ヨーヨー釣りも、金魚すくいも。
一人で遊んでもちっとも楽しくなんかない。
○○は青海苔のついた球体を穴だらけになるまで楊枝で突いた。
「食いもんを粗末にすんじゃねェ」
振り返ると、二つ上の段に沖田が座っていた。
沖田は○○の手からたこ焼きの箱を引っ手繰った。
数多の穴のあいた球体に、沖田はさらに穴を開ける。
「トシ兄、トシ兄って、どんだけブラコンなんでィ」
○○は口をへの字に結び、視線を落とした。
「ブラコンじゃないよ。トシ兄以外に、話が出来る人がいないから」
「だから、祭りも毎年兄貴と行くってのか」
○○は小さく頷いた。