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~あさきみじかしゆめ~ 銀魂短篇集

第7章 万・真・桂《新しい一年はニギニギガヤガヤ始めましょい》


「○○殿!」
「桂さん!?」

 ニコやかな笑みを浮かべ、その男は立っていた。
 とっくに逃げていると思っていたその男の出現に、○○は目を丸くする。
 隣で銀時は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべている。
 新年早々、最も会いたくなかった輩と遭遇してしまったといった表情。

「何してんですか!」
「新年の挨拶を忘れていたものでな。あけおめことよろおねしま」
「新年早々、ウザいんですけど」

 今年初のイラつきを桂相手に発動した所で、大声が耳を劈いた。

「桂いました、副長ォォ!!」

 目を向ければ、自分達の方を指さしている地味な男が一人。
 初対面で○○のパンチを顔面に受けた、山崎と呼ばれていた真選組の一員だ。

「桂ァァ!!」

 その近くには、土方と沖田がそれぞれ刀とバズーカを引っ提げて駆けて来る。

「どけェェ! 土方!!」
「テメェがどいてろ! 非番だろうが!!」

 沖田のバズーカは桂ではなく、土方の頭に突きつけられている。

「チッ。正月も楽しめんような野蛮な猿どもに捕まってなるものか。サラバだ、○○殿!」
「取っ捕まって永遠にサラバしろ。くそったれ」

 小さくなって行く桂の背に、銀時は憎まれ口を叩く。

「何笑ってやがんだ、テメェ」

 銀時の横で、○○は楽しそうに笑っていた。

「銀さん、今年もよろしくね」
「あ? まァ……よろしくな」

 今年もみんなとニギニギガヤガヤ――
 みんなの中に桂や真選組を含んだ覚えはないけれど、この調子ならば今年も毎日楽しく過ごせそう。

(了)
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