第23章 東城歩《ロ●トへGo!!》
ロ●トにたどり着き、案内板でフロアを確認する。
目的はカーテンの上のシャーってなる奴が売られている売り場。
「東城さん!」
九兵衛の言っていた通り、そこに東城の姿を見つける。
カーテンの上のシャーってなる奴も、カーテン自体も売っている売り場。
思った通り、カーテンの上のシャーってなる奴を――ではなく、どういうことかカーテン自体を見定めているようだった。
「○○? こんな所で何をしているのですか」
「東城さんこそ、カーテンの上のシャーってなる奴買いに来たんじゃないんですか?」
色とりどりの、色鮮やかな布を見回す。
「若が捜してましたよ」
空の色をしたカーテンの布地に触る。布地は厚く、遮光性が高そうだった。
親指と人差し指の間に布地を挟む○○の頭上に、
「私は若に言われたんですよ。ここで待っていろと」
東城の言葉が降り注いだ。
「へ?」
○○は東城を見上げる。
昨夕、東城は九兵衛に「お前の部屋のカーテンは黄ばんでいる」との指摘を受けた。
ショックを受けたのも束の間、次いで九兵衛の口から出たのは「誕生日だから買ってやる」との神のようなお言葉。
明日、朝一でロ●トに行って待っていろと言われ、こうしてカーテンの前に佇んでいた。
しかし、現れたのは九兵衛ではなく、○○だった。