第23章 東城歩《ロ●トへGo!!》
「じゃあ、どうして若は……」
居所を知っていながら捜し、あろうことかこうして○○を差し向けた。○○はむーっと唸る。
東城はすべてを理解した。
「若が来ないのならば、○○に選んでもらうとしましょうか」
「え?」
差し迫った東城の誕生日プレゼントに何を贈るか、○○が悩んでいることに九兵衛は気づいていた。
ならば一層のこと東城に選ばせてしまえと、何でも揃ったロ●トで二人を落ち合わせることにしたのだろう。
「私へのプレゼント、いつから考えていてくれたんですか?」
○○が悩んでいたことに気づいていたのは、東城本人も同じだった。
「それは……」
○○は赤くした顔を床に向けた。
たくさんの客に踏まれたフロアは薄汚れている。
「私は○○からなら、何をもらっても嬉しいですよ。まあ、それよりも」
東城は小さく微笑んだ。
「こうして誕生日を○○と過ごせることが、最高のプレゼントになりましたけどね」
頭にふわりと載せられた掌の暖かさに、○○の顔はますます赤みを増した。
(了)